2スト歴10年の筆者が]2ストと4ストの違いや見分け方を比較解説

2スト モトクロッサー-min 2ストロークバイクについて
■ 2ストロークは4ストロークと何が違うの?

■ 
見分け方はあるの?

■ 
どうして今でも2ストは人気なの?

実は2ストロークのバイクには特に優れている性能があります。
それは「加速」と「運動性能」です。

よしのパパ
よしのパパ

この2つはバイクの大きな魅力ですよね。

なぜなら、2ストは4ストより馬力もトルクも出ますし、エンジンが小さくて軽いから運動性能が高いからです。

私はNSR80を10年間所有していました。44000kmまで乗りましたがその間、特に目立った故障はありませんでした。
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10年間とても楽しい2ストライフを送っていましたよ。

この記事では2ストの魅力と、4ストとの違いや見分け方を教えます。この記事を読めばどうして今でも2ストのファンがいるのかがわかりますよ。

結論は現在2ストは万人におすすめなバイクではありませんが、今でも魅力的なバイクだということです。

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2ストと4ストの違いや見分け方を解説

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ここからはまず「2スト」とはどんなバイクなのかを解説していきます。

2ストのバイクとは?

「2スト」とはエンジンの仕組みの名前です。「2ストロークエンジン」もしくは「2サイクルエンジン」とも言います。略して「2スト」とか「2サイクル」と言います。

現在は「2スト」はほとんど作られていません。理由は排ガス規制です。

「2スト」は排気ガスをきれいにすることが難しいエンジンなので排ガス規制に通らないから外車の一部と競技用バイク(レーサー)の一部に生き残っているのみです。

世界中から探せば日本の公道で乗れる「新車の2ストバイク」はまだ少しだけはありますが、基本的には中古車から選ぶことになります。

2ストとはどんなエンジンなのかは文字では説明しにくいのでわかりやすい動画で紹介します。前半に4ストロークエンジンの話も出てくるのでそれぞれの違いが分かりやすい動画です。

2 Stroke Engine vs 4 Stroke Engine
4ストロークエンジンは、「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」の4行程をピストンが2往復する間に終わらせるエンジンです。仕事を一つ一つ4回に分けてやっていますね。
2ストロークエンジンは「吸気と圧縮」「爆発と排気」をそれぞれ同時に行います。仕事を二つずつ同時にやっています。
よしのパパ
よしのパパ

簡単に言うとガソリンがエンジンの中で爆発してそれをピストンが受け止めて力を生む行程が1往復か2往復かの違いです。

2ストの特徴と4ストと比べたメリットデメリット

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2ストエンジンの4ストと比べた特徴

■ エンジンの構造が単純

■ 燃費が悪い

■ 小排気量向け

■ 同じ排気量の4ストに比べて軽量でコンパクト

■ 同じ排気量の4ストに比べてパワーがある

■ 排気ガスが汚い

■ 燃費が悪い

順に解説していきますね。

エンジンの構造が単純

4ストロークはエンジンはピストンの上にラッパみたいな形をしたバルブが付いています。
カムカバー

そのバルブの上にバルブを動かす歯車とチェーンが付いています。
カムカバーをあけると-min

よしのパパ
よしのパパ

これで圧縮、爆発など制御しているわけですね。

対して2ストはピストンの上には蓋があるだけです。
GT750-engine
ピストンのスカートの部分がバルブの役割をしていてそれで圧縮や爆発などを制御しています。なので2ストはエンジンの構造が単純でコンパクトで軽いのですね。

燃費が悪い

2ストはエンジンの仕事の工程の境目が曖昧なので効率が良い燃焼を実現しにくいのです。先ほどで説明したバルブ制御をしていないことが大きな原因です。

つまり2ストはエンジンでガソリンをきれいに燃やすという仕事を「丁寧」「確実」にするということが苦手なんですね。

4ストはアトキンソンサイクルというバルブの動きを微妙にずらして燃費の良いエンジンにするなど、細かい制御が得意。

よしのパパ
よしのパパ

環境に配慮しないといけない現代のバイクが4ストエンジンばかりになってしうのは仕方がないことですね。

2ストエンジンは小排気量向け

nsr80 純正車体

2ストは250㏄くらいまでの排気量のバイクと相性が良い。

2ストは過去に500ccや750ccとかありましたが、現在から考えるとバイクとしては4ストで作ったほうが魅力的なバイクになっていたはずです。

2ストのメリットが出やすいのは400cc以下で、それ以上大きな排気量の2ストエンジンはデメリットの方が大きくなってしまうのがその理由です。

よしのパパ
よしのパパ

その証拠に125~250㏄のモトクロスレーサーにはいまだに2ストロークエンジンが生き残っていますね。

軽量でコンパクト

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2ストエンジンにはバルブ機構がないのでエンジンが軽く小さくコンパクトで安く作れます。

スポーツバイクには最高の条件ばかりですね。

その代わり燃費が悪かったり排気ガスが汚かったりデメリットもあります。ですがレーサーや競技車両のように用途によってはメリットの方が大きいですね。

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2スト モトクロッサー-min

馬力とトルクが多い(特にトルク)

2ストはピストン1往復で1回爆発、4ストはピストン2往復で1回爆発しています。

これだけ考えたら2ストは4ストの2倍パワーあるじゃん!って思いますがそううまくはいきません。
実際は1、5倍くらいのパワーですね。

ただ、カタログでの馬力やトルク値は1,5倍でも「パワーバンド」という一番エンジンが力を出す回転数での話でエンジン全体としては4ストのほうが「扱いやすいパワー」という特徴があります。
よしのパパ
よしのパパ

実際に2ストバイクに乗った感想は「エンジンが小さくて軽くてハイパワーなので速く感じる」です。

排気ガスが汚い

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2ストの排気ガスが汚い原因

 オイルをガソリンと一緒に燃やす構造

 圧縮費が低いから燃焼効率が悪い

 排気をバルブでコントロールしていないから未燃焼ガスも排気ガスに混ざる

特にオイルをガソリンを一緒に燃やすことが一番の原因だと思います。

4ストはエンジンオイルをオイル交換するまで繰り返し使うのに対して、2ストエンジンはエンジンオイルはガソリンと混ぜて一緒に燃やします。つまり2ストのエンジンオイルは一回こっきり使い捨てで燃やして使うということです。

燃えたオイルは白い煙となって排気管から出てきます。これは構造上しかたないので、解決するとしたら排気部分の触媒で解決することのなりますがコストがかかるので現実的ではありません。

燃費が悪い

2ストエンジンはエンジンの仕事の工程があいまいなので効率の良い燃焼制御が苦手です。そのためどうしても燃費も悪くなりがちです。これは4ストより圧縮比が低いことがその大きな理由

よしのパパ
よしのパパ

ちょうど4輪車のマツダのローターリーエンジンに似ている特徴ですね。

2ストと4ストの実際の性能の違いは?

【やっぱハエー】2ストの加速力に完敗です【バイク】

↑この動画は250ccの2ストと4ストの違いを分かりやすく表してくれていますので参考にしてください。

ここからは燃費や排気ガスなど環境面の話は置いておいて、2ストと4ストそれぞれどんなところに速さや楽しさがあるかを解説します。

加速感の違い

2ストエンジンの加速感は4輪車のターボ車に似ています
それも一昔前の「ドッカンターボ」とよばれるターボ車に。

今回はドッカンになる仕組みは省きますが最近のエコで燃費の良い4輪車のターボエンジンとは全然違います。1990年位までのターボ4輪車かノーマルからターボブースト圧を改造でアップしている車両が印象が近いですね。

例えば四輪ターボ車のエンジンが2000ccで7000回転まで回るエンジンだとします。3500回転くらいまでは1300ccくらいのパワーしか出ません。

でもそれ以上回すと3500ccくらいのパワーを発揮してくれるのが昔ながらのターボエンジン「通称ドッカンターボ」。

パワーは出せますが一気にパワーが出るので楽しい反面使いにくいパワーになりがちです。

回転が落ちないようにシフト操作が忙しくなりますがそこが楽しくて目強いファンがいます。

2ストもこれと同じです。

仕組みは全然違いますが乗ったときの印象はこんな感じですね。
でもターボ4輪車はターボが付くと普通のターボ無しエンジンより重くなります。

2ストのバイクは同じ排気量の4ストエンジンよりも軽いのにパワーが多く出るんです
これなら相当速く感じますよね。これが多少扱いにくくても好きな人が多い理由の一つ。

よしのパパ
よしのパパ

体感では4ストバイクより2ストバイクのほうが2倍とは言いませんが1,7倍くらいは速く感じますね。

2スト史上最強のレーサーレプリカTZR250 。最高の加速、エキゾーストサウンド compilation

↑雰囲気がわかりやすい動画です。でも公道であまり飛ばすのは駄目ですよ。

よしのパパ
よしのパパ

飛ばしたければサーキットで楽しんでくださいね。

運動性能の違い

NSR250R

個人的には加速よりも運動性能が高いことが2ストの大きなメリットだと思います。

エンジンが小さく軽いってことはバイクにはとても大きいのです。エンジンはバイクで一番重いパーツです。なので加速、減速、コーナリング、ジャンプ、着地など全ての運動性能がアップするってことです。

よしのパパ
よしのパパ

私としてはパワーが増えなくても運動性能が増えるってだけで2ストを選んでもいいってくらいです。

デメリットがあってもメリットが大きいから競技用のレーサーなど一部ではまだ2ストが生き残っているのです。

MOTO GYMKHANA : NSR250R, TZR250R, VTR250…

↑特にジムカーナなどではメリットが良く出ます。バイクの動きが軽快な所に注目してください。

最高速はそこまでの差はない

最高速は馬力でほぼ決まります。

2ストはパワーが出ますが、超高回転エンジンにするのは苦手です。ピストンを薄く小さくすることが出来ないからです。

4ストはエンジンの回転を上げて馬力を出すのは得意なので、同じ排気量なら2ストのほうが馬力は出ますが4ストとの性能差は他の部分より少なめです。

トルク値は2ストがかなり優れていても馬力はそれほどの差はないのです。

どんなバイクと相性が良いのか

2ストはスポーツエンジンにするとメリットが生きてきます。

半面クルーザーのようなアメリカンやSR400のようなクラシックなバイクには向きません。「パイーーーーン」って加速しているアメリカンなんて人気出るはずがありませんよね。

2ストはロードレーサーやモトクロスや小さめのスクーターに向いているエンジンです。

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2スト モトクロッサー-min

4ストはエンジンの味付けの幅が広いです。ハーレー、スクーター、カブ、などオールマイティに使えます。

排気量を大きくしたり気筒数を変えたりすると、色々な個性なエンジンを作れるのが4ストの大きなメリットです。

よしのパパ
よしのパパ

最近はオンロードレーサー、モトクロスも4ストも進化しているので以前ほど2ストとの差は少なくなってきていますね。

2ストと4ストの見分け方を5つのポイントで解説

自分のバイクが実は2ストだったとか、これからスクーターを中古で買うけど2ストと4ストの区別がつかないという人は多いと思います。ここからは見分け方を解説していきますね。

2stオイルを入れる場所の有無 

オイルタンク

シートの下などに樹脂でできたオイルタンクがあったら2ストです。

4ストの水冷エンジンの場合冷却水を入れるタンクがあるのでそれと間違えないように気を付けてください。

タンクの中身にオイル(トロトロしている)が入っていれば2ストエンジンで、中身が冷却水(色がビンク、ミドリなどキレイでチャプチャプしてる)なら4ストです。

オイルタンクの場所がわかりにくかったりする場合はメーターを見るとOILと書いたランプがあるバイクがあります。その場合は2ストです。

4ストはエンジンの中にオイルを入れるのでエンジンの横にオイルフィラーキャップがあるので↓こんなキャップが付いていたら4ストです。

オイルフィラーキャップの位置オイルフィラーキャップの場所

オイルフィラーキャップアップ
オイルフィラーキャップ

エンジンオイルの色が違う

2ストのオイルは「青」「薄い緑」などカラフルです。

2st-oil-color

それに対して4ストオイルは「茶色」一色なので区別することは簡単です。

4st-oil-color

エンジンの形が違う

2ストと4ストはエンジンの頭の部分の形が違います。

エンジンヘッドが低く小さいのが2スト↓
2st-engine

カムカバーがあるなら4スト↓
オイルフィラーキャップの位置 カムカバー

排気管で見分ける

排気管マフラーを見て黒いオイルがどろりとしていたら2ストです。
チャンバー 汚れ

4ストでは黒いすす(カーボン)が付いていますがオイルはついていません
マフラーのカーボンすす

よしのパパ
よしのパパ

もし4ストエンジンなのに指にオイルがべっとりつついていたらエンジンが「オイル上がり」っていう故障してます。

2ストは「チャンバー」という排気装置を使っています。
(1970年代とかまで古い2ストエンジンだとチャンバーではないのでこの限りではありません)

排気管の真ん中がテーパー状に膨らんでいたら2ストです↓
2ストチャンバー

4ストはふくらみがありませんが最近の4ストバイクは排ガス浄化のために四角く膨らんだ部分があります。(通称弁当箱)チャンバーとは膨らみ方が違うのでわかると思います↓
4st-catalyzer

エンジンの音が違う

4ストロークは気筒数などによって音がかなり違いますが、2ストロークは気筒数が変わってもほぼ同じ音です。

音の違いは動画がわかりやすいと思うので↓を参考にしてください。

ジャイロX[4st]とジャイロUP[2st]のエンジン音

2ストロークバイクの魅力とは

nsr80 純正車体
2ストのバイクは一度乗ると、何て楽しいバイクなんだ!って思います。
バイク経験がある人ほど間違いなく感じるはずです。

筆者が初めて体験した2ストは1988年式NSR250R

私は初めて2ストを体験したときは衝撃でした。
それもそのはず初めて乗った2ストバイクは
1988年式NSR250でした。
NSR250R-88
これは市販車で後にも先にも最速といわれている伝説のバイクです。

筆者が体験した88年式NSR250Rの状態

 走行距離1000kmくらいっていう最高のコンディション

 フルノーマルっていう最高の状態

 サーキットで借りるっている最高のシチュエーション

その頃の筆者はスズキのSV400sっていうVツインエンジンのスポーツバイクでサーキットに通っていました。そこで友人のNSR250を借りて乗せてもらったんですね。

「パワーバンド」っていう言葉すら知らない頃でした。

SV400sがとてもトルクのあるエンジンだったのでなおさらなんですがNSR250Rは「最初全然パワーないな。遅ーーーーーい」って思ってました。
低回転でアクセルをガバっと開けても2ストは加速しないんですよね。

そのまま回転が上がって「パワーバンド」に入ったときにいきなりパワーがどかーーんってでで、さお立ちにウィリーしました(笑)何だこりゃー。回転上げると急にパワー出るのかー」って感じました。
パワーバンドを維持できるとレスポンス良いしパワーすごいあるし、バイクは軽いしすいすい曲がって「こりゃあ楽しいー。最高だー」って思いました。

4ストしか乗ったことが無い人が2ストに乗ると感じること

RZ250

 バイクが小さく軽い車体に感じる

 エンジンはちょっと扱いにくいけど慣れたら速くてレスポンスが良い

 エンブレが少なくてコーナーに突っ込み過ぎてしまうのになぜか曲がれる

これじゃあ楽しいに決まってます。

エンジン回転の維持にコツがいりますし、エンジンブレーキがほとんどないので4ストから乗り換えると戸惑いますが慣れの問題です。

よしのパパ
よしのパパ

今から2ストを体験してみてといってもなかなかそんな機会はないでしょう。でもチャンスがあったらぜひぜひ一度体験してみてほしいです。

まとめ

2ストチャンバー

いまから2ストのバイクを購入するのは正直、初心者の方には少しハードルが高いかもしれません。
2ストは中古しかないのと人気で価格が高騰しているので良い車体を見つけるのが厳しくなってきています。

10年間2ストを所有してみて分かりましたが、2ストは壊れやすいエンジンではありません。

2ストは「メンテナンスをしなかった場合」4ストより少し消耗が早いエンジンだということです。

オイルを一緒に燃やすエンジンなのでいろんなところが汚れます。エンジンの中、チャンバーの中などオイルがたまっていきます。それを掃除しないと性能が落ちてきますので、そういう意味では4ストよりも2ストは手がかかります

でも手を掛けたときに4ストよりも「良くなったなー」って体感できるのが2ストです。

よしのパパ
よしのパパ

プラグやピストンを新品に変えると4ストよりも性能アップを体感できますよ。

今からでもメンテナンスを勉強して大事に手をかけて乗るなら多少価格が高くても「ノーマルに近い車体」なら2ストはありだと思います。

ただ、人気車種は純正パーツが欠品しているものがあるので自分で調べるか、詳しいショップの付き合う必要があると思います。

でもこのあと2ストの状態が良くなることはないでしょう。つまり「今この瞬間が一番2ストの状態が良い」ってことです。

よしのパパ
よしのパパ

興味ある人は速めに行動してみてくださいね。

RZV500R
よしのパパ
よしのパパ

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
ほかの記事もぜひ読んでいってくださいね。

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