バイクに使われてる結合部品[ネジ]と工具の種類を解説[完全網羅]

プラスチッククリップ- 工具解説シリーズ
バイクの整備を始めたくてもバイクには「どんなネジが付いていて」それを「どんな工具で外せるのか」はよくわかりませんよね。

とりあえずわからないままでもメンテナンスを始めることはできます。

例えばバッテリーを交換したければ、「バッテリー交換 方法」など調べれば具体的なやり方を簡単に調べられる時代ですから。

でも、「もっと他のやり方がある」ことや「こんなやりからならもっと簡単に」など、経験豊富な整備士は多くの選択肢を知っています。

メンテナンスがもっと上手になる為には、まず「バイクについているねじの種類」「バイク整備で使う工具の種類と使い方」を知らないといけません。

ですが内容が膨大な量になるので全体を6回に分けて解説します

なので今回の記事は

第一回 結合部品[ネジ](ナット、ボルト、ビスなど)工具(レンチ、スパナ、ドライバーなど)にはどんなものがあるか。

このような内容となります。

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結合部品[ネジ](ナット、ボルト、ビスなど)工具(レンチ、スパナ、ドライバーなど)にはどんなものがあるか。

バイクの部品と部品を止めるにはいろんな方法があります。
溶接、接着、ねじ止め、爪のはめ込みなどです。

溶接と接着は一度くっつけたら取り外しができない

爪のはめ込みはスクーターの外装などで使われてますね。
おもちゃの電池を入れる部分のカバーなどもそうです
素材がプラスチックじゃないと使いにくいのが不便。
しかもそのうち爪が折れる可能性がある。

残ったのは「ねじ止め

外したり付けたりに向いてる。
しかも、ねじ止めは強度を確保できるのでフレームとフレームをつなぐときにも使える。

まさにバイクに使うのにぴったりなので多くの部分に使われています。

あなたのバイクを見てみるとネジとナット、ボルトがいっぱいありますよね
なので、バイク整備にはネジをつけたり外したりは必須行為です。

では回される側「ネジ」についてから解説します。

「ネジ」について解説

「ネジ」について解説していきます。
ナット、ビス、ボルトなどいろんな名前がありますが基本、全部「ネジの一種」です。

ネジの規格はでミリネジインチネジがあります。
日本製はミリネジ
古いイギリスとアメリカ製のバイクはインチネジの場合があります。

イギリス製の古いクラシックバイクの場合はインチネジを使っているらしいので工具からすべてインチサイズにしないといけないらしいのです。
ですが現代はトライアンフのようなイギリスメーカーのバイクも基本なミリネジを採用

でも、絶対ではなくパーツ単位ではインチネジの部分もある可能性があります。
ブレーキの一部だけインチネジを使っているようなこともあるらしいですが、車種によると思うので一概には言えません。

日本車ならミリネジなので、心配はいりません。

「ネジ」特徴

「ネジ」の素材は
鉄、アルミ、チタン、プラスチックなど多彩。

形は回し方によって頭の形が違います。
+ネジ、-ネジ、六角ボルト、ヘキサゴンボルトなど

ボルトのネジが切ってあるスクリューの部分は企画で決まっています。
ネジが一周するときの幅を「ピッチ」と呼びます
ネジ部分が同じ太さのボルトでも、ネジのピッチが違うともちろん付きません

「太さ」「長さ」だけじゃかくて「ピッチ」もあるって覚えてくださいね。

基本はついていたネジをそのまま再利用すると思うので、あくまでもそんなものかな程度でよいです。

「ネジ」の呼び方

「10ミリのボルト」といえば頭の六角の直径が10mmのボルトの事で
ネジ部分の「長さ」「太さ」「ピッチ」のことはわかりません。
なので、今まで付けていたネジと全く同じものが欲しいならすべて指定しないと付かないってことですね。
(素材が違うと強度が違うので見た目だけが同じでも用途が同じとは言えないのがネジの奥が深いところ)

とりあえず最初は「ネジは純正のパーツとしてのネジを注文して同じ部分に使う」ようにしてください。
なぜなら
ネジは1本ずつ設定されてそのネジが採用されています。

バイクは場所によってネジに求められている性能が違います。

フレームの前後をつなげているねじとカウル同士をつなげているネジは強度も素材も何もかも違いますね。

そのネジでもよい」のではなくそれぞれのネジが「そのネジでないといけない」のです。

目立たないちっぽけなパーツに過ぎない「ネジ」は立派なパーツの一つなんですよ。

画像で「ネジ」を解説

ここからは画像で解説します。

+-ネジ

plus-screw

  • バイクでは大きな力がかかる部分ではあまり使いません。
  • プラスチックなど、外装やカバーに多く使われます。

 

六角ボルト
六角ボルト

バイクでメインに使うネジ

80%くらいはこれでしょう。
素材大きさなど一番多く使われています。

ヘキサゴンナット
  • 外装関係に多く使われています。
  • フルカウルのバイクの外装でとてもよく使いますね。
    ほかにもこんなネジもありますね。
    これは工具を使わないタイプでカウルによく使われてますね。
    プラスチッククリップ-

バイクで使う工具にはどんな種類があるか

こんどは外す側の説明です。
ネジを外す工具の事ですね。
ネジのタイプに合わせて頭の形に種類がありますが持つ側の形状にも色々あるのです。

↓ドライバーなど直接手で握って回すタイプ

 

↓スパナなど

↓アーレンキー(ヘキサゴンレンチ)

↓ソケットを付け替えるタイプ(ラチェットハンドル、ブレーカーハンドル、Tハンドルなど)

↓付け替えられるタイプでドライバーみたいなのもあって先端に「ビット」と差し替えて使うタイプ

↓余談でプライヤー(ペンチなど)でも回そうと思えばネジを回せます。
いろんな形がありますよ

バイスプライヤーバイスプライヤー

ウォーターポンププライヤーウォーターポンププライヤー

ラジオペンチラジオペンチ


以上を見ていただければわかると思いますが、ネジはバイクで使うのは3種類くらいなのに工具側はそれ以上の種類があります。
それぞれに3種類のネジに対応できたりします。

なのでこの後はわかりやすく、工具別に得意不得意があるのでこれから解説をします。

工具の種類ごとの得意、不得意や特徴を解説

スパナとレンチ(モンキーレンチも)

 

オープンスパナオープンスパナ

メガネレンチ
メガネレンチ

一番工具らしいイメージがあるといえばこれでしょう。
六角ボルトを回す工具です。
スパナとレンチは意味は同じだと思ってもらってOKです。

 

日本では「オープンスパナ」「メガネレンチ」という言い方が多いので口が開いているのがスパナで閉じてるのがレンチのイメージが強いですがモンキーレンチはレンチと呼ぶのでまあ似たようなものだと思ってください。

それぞれ機能の違いは

オープンスパナは
2面でネジを持つのでなめやすいです。
■どうしてもほかの工具が使えないときにだけ使うのがオープンスパナと覚えてください。
メガネレンチは
■6角ネジのすべての面を持つので安定感抜群。
■普段使いに最適。

モンキーレンチは幅を変えられるオープンスパナです。
モンキーレンチ

ボルトを2面で持つのでやはり非常用として、基本はメガネレンチを使うのが基本。
メガネレンチが使えない部分にオープンスパナとモンキーレンチを使います。

ここからが大事な話です。

レンチはサイズが大きくなると柄の長さが長くなります。
これは大きなナットは外すのに大きな力が必要になるからです。
でも別の意味もあって、「大きな力をかけすぎない」という意味もあります。

小さいサイズのネジのレンチは柄が短いのは、大きな力をかけすぎでネジを壊してしまうことを未然に防いでいるという意味合いもあります。

この後解説するソケットやビットはネジのサイズで柄の長さが変わりません。

なので、ネジを強く締めすぎてしまっても気が付きにくいのです。

よしのパパは初心者はメガネレンチから使い始めるのが良いと思っています。

どのサイズのネジがどれくらいの力で締め付ければよいのかが「メガネレンチが一番わかりやすい」から。

なれたら、ソケットでも力加減がわかるようになりますよ。

アーレンキー(ヘキサゴンレンチ)

アーレンキー
先っぽがオス型の六角でL型のレンチ
最近のバイクではヘキサゴンボルトが多いので使用頻度高め

コンパクトでよいのだけど、L型はどうしても使っていると斜めに傾いてネジを回してしまう。
気を付けていてもどうしてもネジに対して斜めに力をかけてしまう。

これはL型のレンチなので仕方がない。
よしのパパはL型のアーレンキーも持っているが車載工具に入れて非常時にのみ使用。

通常の整備では、この後紹介するソケットタイプのヘキサゴンレンチを使用してます。
ラチェットやTハンドルに指して使えるのでソケットタイプがおすすめ。
これなら斜めに工具が当たることがないので通常の整備には取り入れたいですね。

ドライバー

ドライバー
説明不要の手回し工具で+と-があります。
ドライバーにはネジのサイズがあって1番から3番まであります。
2番のプラスネジに3番のドライバーを当ててもうまく回りません。
無理やりやろうと思えば回せてしまうのでそこがトラブルの元です。

メインは+ドライバーです。
-ドライバーはバイクではほとんど使いません。

プラスドライバーのコツは押し付ける力7割で回す力は3割。

手で直接、柄を握って回すので強い力をかけるのが苦手です。
ドライバーの事は↓の記事でも詳しく書いていますので参考にしてくださいね。

固いナットやボルトの外し方を解説[なめないコツと折れた場合の対応策]

固いネジの外し方を解説[ネジをなめないためのコツと折れた時の対処法]

プライヤー

プライヤー

挟みこんで掴む工具です。
ネジを回すこともできなくはないです。
基本は掴んだり、固定したりするものです、

プライヤーは挟む幅を変えられるものと変えられないものがあります。
それぞれ解説します

固定タイプ

プライヤープライヤー

ラジオペンチラジオペンチ

バイスプライヤーバイスプライヤー

プライヤー、ラジオペンチ、バイスプライヤーがあります。

プライヤーは車載工具に最初から入っている場合が多いです。
ですが、正直使いにくいのでラジオペンチのほうが良いです。

ラジオペンチは先が細きなっているプライヤーです。
根元にニッパーのように挟んでワイヤーなど切る機能があります。

バイスプライヤーはロック機能が付いたプライヤーで強い力で挟むことができます。
さらに手を放してもつかんだままで固定してくれます。

万力の代わりをしてくれたり、外れないボルトを挟んで回したり、かなり活躍してくれるので、一つはあると便利。

サイズがいくつかあるので使いやすいサイズを選ぶとよいです。

可変タイプ

ウォーターポンププライヤーウォーターポンププライヤー

挟む幅を変えられるプライヤー

水道管など太いものを使うために使うのでこういう名前で呼んでいるみたいです。
安物は幅を固定する部分がつかんでいるときに動いてしまう事があるので使いにくいです。

一番安物は避けて、安くても最安から2番目以降を選んでください

ソケット


ソケット
恐らく一番種類が多い付け変えができる工具

様々なハンドルの付けることができます。
ハンドルにつけるサイズに種類あるので注意してください。
バイクで使うのは以下の3種類です。

1/4 = 6.35mm(付けられるソケットサイズ、目安4~14mm)

3/8 = 9.5mm (付けられるソケットサイズ、目安6~24mm)

1/2 = 12.7mm(付けられるソケットサイズ、目安8~36mm)

もっと大きいサイズもありますがバイクでは使いません。

ちなみにバイクで良く使うのは1/4と3/8です。
一本だけ買うなら3/8ですね。
よしのパパは1/4と3/8と1/2それぞれソケットを持っています。
ハンドルは1/4と3/8しか持っていません。
変換器(アダプター)で
3/8→1/2にして1/2のソケットを使えるようにしてあります。

ソケットはネジの対応も幅が広いです。

普通の六角ボルトはもちろんですが、ヘキサゴンレンチ、+、-ネジなどほぼすべてのネジに対応できます。

エクステンションバーと呼ばれる延長バーを付ければ斜めに曲げたり、長くしたりなど自由自在。

集め始めると一番数が多くなってしまうでしょう。
集めてもソケットは先端の部品のみなので重くならないのが良いです。
ソケットホルダーというソケットを並べてくっつけるパーツがあるので
それを使うと保管が楽です。
サイズごとに並べておけば探すのも楽ですからおすすめです。

一つ注意点があります。
ソケットには手で回す用途のものと、エアツールで使うもの(圧縮空気で自動でソケットを回せるものでとっても強い力に耐える)に分かれます。
多くの場合手で回すのは色がシルバーでエアツールなどで使うものは色が黒い場合が多いです。
ソケットで想定している高度が違うので手で回す人はハンドツール用を買いましょう。

ここからはソケットをつけられる工具(ハンドル)の種類を解説しますね。

ハンドル側も同じようにサイズが3種類あります。
サイズが大きいものは柄の長さも長いです。
それ以外のハンドルの違いは機能が違います。

順に解説しますね。

ラチェットハンドル

ラチェット

回転方向が指定できるギアが付いているハンドル。

締める方向だけ固定、反対派空回り。
また、その逆をレバーで指定できます。
「キリキリ」とか「チリチリ」とかの音は空回りしているときの音です。

一番使うハンドルです。
ソケットとセットでついているハンドルは、このラチェットハンドルの場合が多いです。

頭の部分が折れるタイプ、回るタイプ(スイベルタイプ)など、種類多し。

最初は普通にセットでついているもので良いでしょう。

スピンナーハンドル(ブレーカーハンドル)

スピンナーハンドル-

ラチェット機能がないハンドルです。
外すときメインで使用します。

ラチェット機能はギアを使っているので強い力をかけすぎると壊れることがあります。
そのためこのハンドルならギア無しなので、強い力で使っても壊れないというもの。

なので、固いネジを外すときの専用と思ってください。

ただ、よしのパパは思いっきりラチェットハンドルを使っても壊れたことはありません。でもラチェットの事を思えば強い力では使いたくありませんよね。
強い力を使うときはメガネレンチで外すのでよしのパパは持っていません。

Tハンドル

Tハンドル
T型のハンドルの先にソケットをつけられるハンドル。

強い力には向かないけどくるくる回転させると、スピーディーにネジを回せるので慣れると作業性が良い。
バイクは奥まった部分にネジがあることも多くそういう意味でも使い勝手良し。

ドライバー

ドライバーの先にソケットをつけられるものもあります。

小さいサイズ1/4限定でなら使い勝手良いです。
電動で回せるものがあるのでちょっと高いけど(一万円くらいから)超絶作業性が良くなる。

ただ、コツを押さえないと、ネジをなめやすいというリスクあり。

ソケットが一番汎用性が高い

  • 変換器が多数ある。
  • 差し込みサイズを変換できる。
  • ビットに変換したりも可能

変換器がとても豊富なので、この後紹介する「ビット」に変換することもできるので

それこそ、「なんでもできる」状態です

柄の長さ、曲げ、サイズなど、多くの選択肢があります。

ビットを使える工具

ビットは六角の差し込み部分を差し替えて使う工具。
コンパクトなセットなどでよく使われていますね。
サイズはいくつかありますが普通はセットで購入するのでそのセットの中で使えば問題ありません。

ビットの差し込み形状は、サイズの違いなどによってさまざまな製品があります。

  • Aタイプビット
  • Aタイプは、溝から先端部までの長さが13mmとなっているビットです。国内メーカーの電動ドライバーやエアーツール製品であれば、Aタイプビットに適合する差込口となっているケースが多いと思います。
  • Bタイプビット
  • Bタイプは、溝から先端部までの長さが9/9.5mmのビットです。主に海外製の電動ドライバーで使用されている規格ですが、一部のエアーツールでは使用できます。
  • 差込口対辺
  • 差込口対辺とは、ビット断面の対辺から対辺までの長さのことです。
    つまり差し込む六角の部分の直径ですね。
    電動ドライバーやエアドライバーでは5mm、6.35mm、8mmのビットが適合します。
    小型電動ドライバーの場合は4mmから5mmです。普通のバイクの整備では6.35mmの場合が多いと思います。
    最初はセットで購入すると思うので、使っているハンドルに合うビットを購入してください。

次はビットを差し込むハンドル側の解説です。
ソケットと同じようにハンドル側にも形がいくつかあります。

ラチェットタイプ

ソケットと同じくラチェット機能が付いたハンドルの先にビットをさせるもの。

よしのパパ的にはラチェットハンドルを使うならソケットのほうが汎用性が高いと思います。
ビットを使うならこの後紹介する、ドライバータイプがおすすめ

ドライバータイプ

ビットドライバーセット-min
ドライバーの先にビットを差し込んで使うタイプ

  • コンパクトで便利だけど、強い力は出せない。
  • けどビットはもともと小さいので問題なし。
  • 物によってはラチェット機能があって回転方向を選べる。
  • 電動化で作業性アップが出来る。電動物は一万円くらいから買えます、

ビットもかなり汎用性が高い

  • 変換器が多数あってソケットタイプに変換も可能
  • ビットはサイズが小さいものがメインなので大きなネジには対応できない
  • その代わり、電動化などで超絶楽になる方法もある。
  • 電動化はちょっと高めだけど、頻繁に工具を触るひとならかなりうれしいはず。
電動のビットドライバーは一度触ってみてください。

 

今日の解説は以上となります。

いかがでしょう、ネジの多さに比べて工具の多さに驚きますよね。

バイクの形や整備をする側の好みによってによっていろんなスタイルをとれるのが工具の魅力だと思います。

皆さんもそれぞれ、自分にとってのベストの工具を見つけてくださいね。

まとめ

今回の記事は

第一回 結合部品[ネジ](ナット、ボルト、ビスなど)工具(レンチ、スパナ、ドライバーなど)にはどんなものがあるか。

こんな内容でした
今回は工具とネジ全体の話でした。

次回は第二回 オープンスパナ、モンキーレンチ メガネレンチ、ヘキサゴンレンチの使い方の予定です。

以下は全体の予定です。

最後まで読むと工具が欲しくなるような記事を書いていきます。
お時間あるときに読んでみてくださいね。

よしのパパ
よしのパパ

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
ほかの記事もぜひ読んでいってくださいね。

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